2023年12月定例会水口一般質問(2023/12/1)
質問件名:
水口かずえ
6番水口かずえです。通告にしたがい、2件質問いたします。1件目、市民の健康を守るためにPFAS汚染の原因究明と対策の実施を。
多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会が今年9月21日に公表した住民791人の血中PFAS濃度の調査結果では、4種のPFAS合計の平均血中濃度は22.0ng/mL、そのうち小平市民29人の平均濃度は22.8ng/mLでした。米国の学術機関である全米アカデミーズは、7種のPFASの合計値が20ng/mLを超えると健康影響の恐れがあるとし、健康影響として腎臓がんや乳児・胎児の成長・発達への影響に加え、動脈硬化などの原因となる脂質異常症についても関連性を示す十分なエビデンスがあるとしています。PFASの農産物への影響も懸念されています。小平市として、市民の不安に応え、健康を守るための施策の実施を求め、以下質問します。
大きい2件目です。事業の精査と見直しには市民の意見を反映し、廃止された災害救助事業の復活を。
小平消防署監修の「消防こだいら」令和5年11月発行号には、「小平市では、今年火災が多く発生しています」と記載され、小平消防署のホームページでは、今年11月14日現在で、市内の火災件数は45件、焼損傷床面積は805㎡で令和4年の約4.4倍、死者数は昨年の0人に対して今年は既に4人となっています。そんななか、小平市は事業の精査と見直しにより、今年度から災害救助事業を廃止し、全焼・全壊1世帯につき5万円以内、半焼・半壊1世帯につき3万円以内、死亡1人につき5万円以内、の見舞金、弔慰金の支給を廃止しました。この経緯と妥当性、および復活できないかについて質問します。
以上です。自席にて再質問いたします。
小林ようこ市長
答弁担当
○環境部 環境政策課
○総務部 防災危機管理課
○健康福祉部健康推進課
○健康福祉部保険年金課
水口かずえ議員の一般質問にお答えいたします。
はじめに、「市民の健康を守るためにPFAS汚染の原因究明と対策の実施を」の第1点目の特定健康診査の受診者数と、脂質異常と判定された人の割合でございますが、昨年度の受診者数は、1万1千552人で、そのうち脂質異常症の治療にかかる薬剤を服用している人の割合は28.6%、全国平均値は29.1%、東京都平均値は28.2%でございます。
また、平成20年度、25年度、30年度の脂質異常と判定された人の割合でございますが、脂質異常症の治療にかかる薬剤を服用している人の割合は平成20年度が17.3%、平成25年度が21.5%、平成30年度が23.5%でございます。
全国平均値は、平成20年度が17.0%、平成25年度が22.7%、平成30年度が25.8%、東京都平均値は、平成20年度は公表されておりませんが、平成25年度が22.8%、平成30年度が24.7%でございます。
第2点目の特定健診項目にPFASの血中濃度を加えることでございますが、特定健康診査は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、保険者に実施が義務付けられており、基本的には国の定める基準において、内臓脂肪に着目した生活習慣病に特化した検査項目が定められております。このため、PFASの血中濃度につきましては、特定健康診査の実施目的にそぐわないため、検査項目に加えることは適切ではございません。
また、必要となる追加費用につきましても、実施できる検査機関の情報を持ち合わせていないことから、把握しておりません。
第3点目の特定健康診査の実施率と達成状況でございますが、昨年度の実施率は44.3%で、達成率は76.4%でございます。
また、血液検査にPFASの血中濃度を加えることでございますが、第2点目で申し上げましたとおり、特定健康診査の実施目的にそぐわないため、検査項目に加えることは適切ではございません。
第4点目の血中濃度測定の有効性でございますが、本年7月に国が公表したPFASに関する今後の方向性におきまして、現状では、血中濃度のみを測定しても健康影響を把握することができないとの見解が示されております。このため、市において、血中濃度測定の有効性を判断することは困難でございます。
第5点目の震災対策用井戸におけるPFAS検査の実施でございますが、地下水におけるPFOS、PFOAの水質検査は、環境省、及び東京都が主体となって広範囲にモニタリング調査を実施していることから、検査の実施について、現在のところ予定はございません。
このため、浄水器の設置補助につきましても、実施する予定はございません。
第6点目の横田基地内への立入調査でございますが、すでに、東京都、及び横田基地周辺自治体で構成する横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会において、本年7月5日に国に対し、国の責任において、基地内のPFAS漏出にかかる地下水への影響について調査・分析・評価を行い、その結果を公表するなどの必要な対応を行うことを要請しております。
このため、現在のところ、市独自で立入調査の要請を行うことは考えておりませんが、引き続き、多摩地域各市で連携して協議してまいります。
第7点目のPFASに関する会議体の設置でございますが、有機フッ素化合物に関する要望等について検討していた近隣市から、多摩26市に対し、合同で要望を出す意向があるか否かについて問い合わせがあり、市として参加する意向を表明いたしました。最終的には、多くの市からの参加意向があったことから、特定の市のみで対応するのではなく、東京都市長会の附属協議会である東京都市環境・公害事務連絡協議会において、26市で連携して対応を図ることとなったもので、会議体の設置を断念した等の経緯はないものと認識しております。
第8点目の横田基地への立入調査に関する他市からの要請への対応でございますが、現時点では、他市からの要請や協力依頼等はございませんが、要請等の内容に応じて対応を検討してまいります。
第9点目の東京都市長会からの東京都への令和5年度予算要望に対する実施状況でございますが、東京都からは、計画的に地下水の常時監視を行うことや、PFOS・PFOAについては、引き続き調査を実施し、その結果は、市に情報提供するとともにホームページで公表するとの回答がございました。
また、本年9月には、飲用水における都民の安全安心を高めるため、地下水調査の前倒し実施、及び比較的高濃度のPFOS等が検出された地域における追加調査の実施について連絡がございました。
令和6年度予算への要望でございますが、東京都市長会からの予算要望は、多摩地域26市で連携して内容を検討し、東京都に提出したものであることから、 本予算要望には、 小平市の要望も反映されているものと認識しております。
次に、「事業の精査と見直しには市民の意見を反映し、廃止された災害救助事業の復活を」のご質問にお答えいたします。
答弁担当
〇企画政策部 行政経営課
〇健康福祉部 生活支援課
第1点目の見舞金廃止の理由が適切かでございますが、令和元年度事務事業評価票に掲載している541事業を対象に、客観的な指標に基づき、見直しの対象とする事業を抽出し、対象者が少数に限定されているという視点も含め7つの視点について点数化した上で市が一次選定を行い、有識者や公募市民で構成する小平市経営方針推進委員会の御意見も踏まえ検討を進め、関係団体等との調整を経て本年度から廃止いたしました。
対象者が少数に限られていることも理由の一つではございますが、その前段に客観的指標を用いながら抽出し、手続きを踏みながら判断したものであり、適切であると考えております。
第2点目の関係団体との調整でございますが、本事業を廃止するに当たり、同趣旨の事業を実施していた社会福祉協議会と調整を行いました。
第3点目の多摩26市の実施状況でございますが、本年10月末時点で、災害見舞金を支給している自治体は22市あると把握しております。
第4点目の社会福祉協議会が実施する災害援助見舞金の支給状況でございますが、社会福祉協議会では、緊急援護として、火災等の被災者に対し見舞金を支給しており、昨年度の支給件数は8件と伺っております。
また、その他の支援制度でございますが、緊急小口資金貸付や生活福祉資金貸付等の制度、各種減免制度等、被害の程度や所得等によって様々な支援制度がございます。
第5点目の見舞いの意を示すための別の方法の検討状況でございますが、第4点目で答弁申し上げたように、災害救助事業を廃止する以前から、火災や風水害などで被害を受けた市民の皆様に対する支援として、市税、及び手数料等の減免制度や資金貸付制度を実施しており、これらの各種支援制度を継続する中で、見舞いの意を示していく考えでございます。
第6点目の災害救助事業を復活させるための手続きでございますが、第1点目で答弁申し上げたとおり、様々な検討を重ねた結果、廃止と結論づけたものであり、本事業を復活させる考えはございませんが、第5点目で答弁申し上げた各種支援制度について丁寧に案内してまいります。
第7点目の事業の精査と見直しにおける市民意見公募手続でございますが、小平市第1期経営方針推進プログラムについて、事業の精査と見直しも含め、各プログラムにおける現状や課題、取組の方向性、スケジュールなども示した上で、既に市民意見公募手続を実施しておりますので、個別のプログラムについて改めて市民意見公募手続を実施する考えはございません。
第8点目の事業の精査と見直しへの市民意見の反映でございますが、有識者や公募市民で構成する小平市経営方針推進委員会の御意見を伺いながら進めていることから、一定の市民意見の反映を行っております。
水口かずえ
はい、ありがとうございます。1件目から再質問いたします。
まず1点目です。全米アカデミーズのほうで動脈硬化などの原因となる脂質異常っていうのがPFASの影響として、可能性があるというふうに指摘されています。
国民健康保険加入者を対象として行っている特定健康診査、それは高齢者の医療の確保に関する法律で内臓脂肪等に着目した調査項目ということですけれども、PFASも脂質異常に関連するということでしたら、調査項目に加える意味はあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
川上健康・保険担当部長
今議員からご披瀝があったように、いわゆる特定健診につきましては、生活習慣病予防を目的として、その中で血液検査を行っているものでございます。この検査そのものにつきましては、いわゆる臨床検査というものでございまして、医療機関等で一般的に行われている検査という枠組みの中で実施されているものでございます。
今お話がありましたPFASに関しての検査というのは、まずどういう検査をするのが一般的かという、全く法律もない中で、どのような手法で行うかっていうものが全く確立されていない中でやるということでございますので、これについては法定で定められている検査と全く違うものになりますので、その枠組みの中で行うというのは適切でないと考えております。
水口かずえ
先ほど市内の脂質異常の方の割合の推移をお聞きしたんですけれども、脂質異常の方がだんだん増えてきていると思います。この増えている要因、なんだというふうに考えていらっしゃるでしょうか。
川上健康・保険担当部長
この脂質異常症の割合が年々増えているというのは全国的な動向ということで捉えております。一つの要因といたしましては、高カロリー、高脂肪の食事、それから運動不足、それから食生活として肉を食べる機会が多くなっているということと、あとは交通手段の向上など様々な要因が関係しているものと捉えております。
水口かずえ
昨年度、小平市の脂質異常の方の割合が東京都全体の平均と比べて高くなっていますけれども、ここで高くなってしまった要因は何か考えられるでしょうか。
川上健康・保険担当部長
3ヶ年調べてみたんですけれども、令和4年度と3年度が東京都よりも若干高い。令和2年度に関しては東京都よりも低いという結果が出ております。ただ、これに関しましては、詳細な要因というところまでは捉えることは難しいものと考えております。
水口かずえ
この特定健康診査、現在第3期特定健康診査実施計画に則って行われていると思います。この第3期、2018年から始めたときに、それまではやっていなかった腎機能を評価するための血清クレアチニンを新しく検査項目に加えましたけれども、これを加えた理由とあと加えたことで余分にかかった費用がわかれば教えてください。
川上健康・保険担当部長
いわゆる健診に関しましては、大元になります法律が平成20年度から高齢者の医療の確保に関する法律に変わりまして、特定健診が実施されることになりました。その中で、腎機能を評価する血清クレアチニンというものがありますけれども、この特定健診の開始の段階で、基本項目からなくなったということでございます。ただ、しかしながら、いわゆる腎機能の低下、腎臓病に関しましては、生活習慣病等の関係がかなりあるということでございまして、これに関しては医師会からも助言をいただいて、引き続き実施するものとしたものでございます。
費用でございますけれども、いわゆる市独自の上乗せ項目というものを、5項目設定しておりまして、それを一つ一つ単価を決めているわけじゃなくてこの5項目のトータルで単価430円ということで設定しております。
水口かずえ
5項目で430円まとめて上乗せをされている。ここに例えばPFASを加えた場合、どうなるんでしょうか。
川上健康・保険担当部長
いわゆる臨床検査と全く違う手法で行うものになりますので、我々が関係している医療機関に検査を出すということではなく、それは全く別の検査機関ですね、有機フッ素化合物を特定する別途の検査機関ということになりますので、これについては私どもは全くネットワークを持っておりませんので、どのぐらいかかるかということは不明でございます。
水口かずえ
その独自上乗せ項目の財源なんですけども、独自で上乗せするものは全部市が支出するっていうことになるんでしょうか。補助金等はないのでしょうか。
川上健康・保険担当部長
健診に当たりましては国等からも補助が出ておりますので、若干の上乗せの項目に関しては、いくらかは国の補助が入ってるものというふうに捉えております。
水口かずえ
特定健診については目標値を実施率について定めています。令和4年度ですね、(実施率の目標値が)58%だったけど、(実際には)44.3%だったっていうことだと思います。特定健診を実施率を上げるために行っている取り組みはどんなことをされているでしょうか。
川上健康・保険担当部長
行っている工夫としましては、平成30年、29年ぐらいからだったと記憶しておりますけれども、医療機関で健診を受けられなかった方に集団健診ということで行っておりまして、こちらを大体年5回ぐらい実施することで、今まで一般の医療機関で健診ができなかった方をフォローできるということで行っております。
また、健診率の向上に向けましては、人間ドックを受けていただいた方にも助成金のほうを出しておりまして、こちらの結果を提出いただくことによって、お1人1万円ということで補助を出しております。こういったことも含めまして、目標率の達成に向けて努力しているところでございます。
水口かずえ
先ほど小川給水所で再び井戸水の取水が始まったみたいなこともあると思います。すごく市民としては血液検査をしてほしいという要望をたくさんお聞きしています。PFASを血液検査の項目に入れることで実施率はかなり上がるのではないかと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか?
川上健康・保険担当部長
私どもで行う検査に関しましては、その実施の根拠が必要となるものでございまして、法令に基づいて実施しているものでございますので、それ以外のものに関しましては、どのような手法で検査するかというものが固められてない中で検査を行うというのは、私どもとしてはできないものでございます。
水口かずえ
内臓脂肪とか関係ない、白血球とか尿潜血とか、市が独自にやっている上乗せ項目もあるので、PFASも上乗せとして実施するということは別にできないことではないかなというふうには思います。
第3期の特定健診実施計画が2023年までとなってますけれども、第4期はどのようにしていくのか、何か新しく付け加える予定などあるのでしょうか?
川上健康・保険担当部長
健診につきましては特定健診の枠組みは変わっておりませんので、引き続き現行の検査項目を継続していく予定でございます。
水口かずえ
先ほどからずっと、PFASの血液検査についてはその健康影響評価が定まっていないということが実施できない理由として挙げられていますけれども、現在内閣府の食品安全委員会がPFASワーキンググループを設置し、PFASの食品健康影響評価というのを実施しています。国の調査などを通じて健康影響がはっきりすれば、血中濃度の検査も検討していただけるということでよろしいでしょうか?
川上健康・保険担当部長
特定健診の実施に当たりましては、これは大前提といたしまして、法律に基づく健診ということでございますので、この枠組みの中で実施するということが基本になります。それ以外の実施項目に関しましては、検査を行っているものは全て生活習慣に関わる話でございますので、そこの枠組みの中で実施しているものです。そのいわゆるPFASの濃度が入っているいないというところは、全くこれまだ法律にも書かれていない中で、私どもの独自で実施するっていうところは、やっぱりそぐわないものと考えております。
水口かずえ
PFASはその脂質異常と関連があるというような指摘もあるわけで、脂質異常とPFASの関連などが明らかになれば、特定健康診査の対象ともし得るのではないかなというふうに考えます。
井戸水の調査のほうに移ります。国分寺だけじゃなく、調布とか、武蔵野とか独自にいろいろ調査するところが増えてきています。小平市も震災対策用井戸がありますので、ここでぜひ、調布市のように、民間の井戸も調査するべきではないかなというふうに思います。
調布市のほうの取り組みもちょっと詳しく紹介しますと、今年の9月定例会で補正予算で成立して調査が行われることになったものです。市が所有する井戸に加えて、民間管理の防災協力井戸とその他の民間の井戸合わせて85ヶ所を対象として、希望者による申し込みで検査するというものです。1ヶ所当たり15万円の予算で、最大115ヶ所で1735万円の予算が組まれています。
これは検査した結果、民間の井戸については、申込者本人のみに結果を通知し、公表はしないとなっています。来年2月までに調査結果をまとめるということですけれども、民間の震災対策用井戸を持っている方でも気になっている方は多いと思います。今は生活用水となっていますけれども、令和3年度までは飲用というふうにも同じ井戸がされていました。いざとなったときに飲めるかなというふうに思ってる人も多いと思います。ぜひ民間の井戸も調査してほしいなと思います。
多摩地域のPFASを明らかにする会でも民間の井戸とか、川の水とかも調査をしていて、まもなく結果発表予定というふうに聞いています。そういう結果が発表されてくると、やっぱりますます市民から井戸調査してほしいという要望が大きくなってくると思います。ぜひ民間の井戸のほうの調査を検討していただけないでしょうか。
田中環境部長
今、他市の状況についてご披瀝ありました通り、調布市においては民間の井戸も希望者にはということで、他の国分寺市であるとか武蔵野市は民間ではなく市の井戸の調査のみということで、調布市は市の井戸と合わせてやるということで今注視しているところでございます。
市においては今のところ個人の井戸については、特に検査してほしいという声はまだ届いていないところでもございます。
調布市のほうでも、今後どのくらいの希望者があるのか、その結果に対してどういう対応していくのかというところも動向を注視していきたいと考えております。
市につきまして東京都の方で都内全域のモニタリング調査を行っておりまして、来年度分で一巡終わる予定だったんですが、それも1年前倒しで本年度中には追加調査を行って結果を出していくということでございますので、そちらの調査結果も見ていきたいと考えております。
水口かずえ
多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会で民間の井戸も希望者に応じて調査をしたということなんですけれども、花小金井に住んでいる方でその調査に参加したっていう方がいらっしゃいました。その方は震災対策用井戸の登録もしていて、検査結果を受け取ったら77ng/L以上の検査値が出たということで、ショックを受けていらっしゃいました。やっぱり気になっている方が多いと思いますので、ぜひ希望者が調査できるように検討をお願いしたいと思います。
次に横田基地のほうに移ります。今年の1月25、26日に横田基地で、PFAS漏出事故があったということです。沖縄タイムスの記事があるんですけれども、そこに書いてあることを見ますと、PFAS入り消火剤に汚染された水が二日間連続で漏れていたことが本誌が入手した内部文書でわかった。消火用スプリンクラー設備の部品が凍結によって破損し、内部のPFAS汚染水が二日間で計760L漏れ出した。1L当たりの濃度がPFOSが約240万ng/L、PFOAが32万ng/Lで、日本の暫定(目標)値の5万4400倍に上った。側溝からの水が基地西部の福生市側に出る排出溝を米軍は吸収材でふさいだ。スプリンクラー設備の管の中には事故後も推定9500Lの汚染水が残っており、米軍が排出を試みたが失敗した。原因は不明だという。2日目の事故がなぜ防げなかったのか、汚染水の吸収材はどう処分したのかを本誌は問い合わせている、というようなことが書かれています。
何かすごい、ひどい状況だなというふうに思います。また、先日11月26日東京新聞ではPFASを含む泡消火剤が米軍横田基地にまだ約140万L保管されていることが政府関係者などへの取材でわかったというふうに報道されています。
一方で、その防衛省としては、関係自治体から要請があれば、横田基地への立ち入り調査申請を米軍側に働きかけるという見解を示しています。やはり市民としてはとても気になるところで、健康を守るため、また市民の不安に応えるためにも、ぜひ横田基地への立ち入り調査を防衛省に要請すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
田中環境部長
その要請につきましては、本年7月に、過去の横田基地内のPFAS漏出につきまして国から関係自治体に対して情報提供があったことを受けまして、横田基地周辺の5市1町と東京都によりまして国の責任において調査等を行う等の要請をしているところでございます。
横田基地に地元の自治体と東京都が連携して既に要請を行っておりますことから、多摩地域各市からの更なる要望等については現状では予定しておりませんが、今後の国や基地側の対応等を注視しながら、引き続きその要望の内容等につきましては他市とも連携を図ってまいりたいと考えております。
水口かずえ
横田基地の周辺市町連絡協議会が行ったその要請っていうのが、国の責任において基地内のPFAS漏出に係る地下水の影響について調査分析、評価を行うことなんですけど、立ち入り調査をしてほしいというふうにはっきり述べてないためにまだ立ち入り調査がされていないんだと思います。やっぱり立ち入り調査を求め、調査してきちんと情報を明らかにすることが必要ではないかというふうに考えています。
ここでちょっと資料提供をします。
これは多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会のホームページから取ったものです。PFOSの血中濃度が、住民の平均濃度が高いところほど濃い赤で示されています。この調査で一番PFOSの平均濃度が高かったのが国分寺市で、その次が立川市、その次が武蔵野市という結果になっていました。この黒い丸が横田基地を示しています。東京都がPFAS関連で井戸水の取水を停止したのが、国分寺市、立川市、国立市、小平市、府中市、西東京市、調布市で、すべて基地より東側の自治体になっていて、横田基地がやはりその地下水汚染の原因ではないかっていうふうに言われているわけです。
こういう状況を見て、7番に移るんですけれども、国分寺市が民間の調査で血中濃度が高かった自治体で会議体を作ったらどうかっていうことを検討していた、というような報道がされていて、それも必要かなというふうに思います。横田基地の周辺市町連絡協議会は、羽村市、昭島市、福生市、武蔵村山市、瑞穂町で立川市が入ってますけれども、民間の調査で血中濃度が高いって言われていたところが入っていないんですね。なので、国分寺市など市民の血中濃度が高いと言われたところは特に危機感を持って横田基地の調査をしてほしいというふうに考えていると思います。
国分寺市の6月定例会の議事録を見ました。そこで建設環境部長が、「26市の環境に関する課長協議会のほうで現在幹事市を立川市がやっています。このPFASの問題に関しては当然26市の中でPFASが検出されていない自治体も多くあります。そういった自治体はなかなか情報共有といっても加わらない状況が見受けられましたので、幹事市を中心に報道等で血液の濃度の数値が高い市民が多かった立川市や国分寺市、国立市、小平市、府中市と、現在6市、7市だと思いますけれども、会議体を作って、今後の対応を検討していくことをやろうじゃないかということで、今、動き始めているということであります」という議事録になっています。
国分寺市でその会議体を作ろうという構想を持っていたと思うんですけれども、その辺は全然、小平市のほうに呼びかけはなかったんでしょうか?
田中環境部長
答弁の内容についてはちょっと意見を言うのは差し控えさせていただきますが、実際に当市にありましたのは、国分寺市ではなくて、別の市から各市に問い合わせがありまして、そういった会議体といいますか、そういった要望をしていくために、何かそういう打ち合わせできるようなそういった自治体でグループを作ってやっていかないか、というようなそういう問合せはございました。
その結果、小平市のほうとしては、やるのであれば参加するということで、お話をしていたんですが、その結果、多くの市がそこに参加するということになりましたので、最終的には26市で協議しています。
東京都市環境公害チーム連絡協議会の中で、26市でやはり一体となってやっていくのが良いのではないかということになりまして、その中で引き続き検討していくということになったという状況でございます。
水口かずえ
26市市長会としてはまだその横田基地への立ち入り調査等、求めていないと思いますけれどもそこで求めていったらいかがかと思いますが、どうでしょうか。
田中環境部長
例年公害事務連絡協議会のほうで、東京都への予算要望等を決めて、その上で市長会で審査して要望しているわけでございますが、実はそういった横田基地に関するような内容も話し合うという話もあったんですが、先ほどちょうど東京都と周辺自治体のほうで要請していくということがありましたので、そういったところはなくなったところでございます。
今年度につきましては、6年度予算について、最重点要望というふうにして、PFASに関することは要望しております。
今の横田基地に関しましても、今後も先ほど申し上げました通り、国や周辺自治体の動向も見て、またその中で連携して話し合っていければと考えております。今、ここでちょっと小平市でその要望していくとかしていかないというところはまだ判断つきかねるところで、まず他市と連携してですね、決めていければと考えております。
水口かずえ
ぜひ、小平市が主体となって求めて、26市市長会を動かして横田基地への立ち入り調査を求めていってほしいというふうにぜひお願いしたいと思います。しっかり調査をして市民が少しでも安心できるように進めていってほしいと思います。
次に大きい2点目に移ります。事業の精査と見直しなんですけれども、対象者が少数に限定されているっていうことが、その見直しの理由として挙げられてるんですけれども、少数であっても必要な事業というのはあると思います。その辺はいかがでしょうか?
有川企画政策部長
対象者が少なくても必要な事業ということでございますが、今回事業の精査と見直しを進めてきているわけでありますが、その中では行政評価に基づいてですね、541の事業から抽出をして行ったということでございます。抽出をした58事業、職員提案を含めると62事業になるわけでございますけれども、これらにつきまして、一定の基準に基づいて評価をしたということでございます。これの中の一つの項目といたしまして、対象者ということがございます。その他に効率性が下がっているであるとか、当初の目的、意義が失われている、また事業量が減少している傾向がある、あるいは重複類似する事業があるなど、7つの視点によって抽出をしているということでございますので、対象者が少ないということだけをもって取り上げたわけではございません。
水口かずえ
今年度から、火災援助事業、廃止されてしまったわけなんですけれども、昨年度まで実際にどのような形で実施されていたんでしょうか。どこからどういう情報を得てどうやってお金を渡していたのかお教えください。
櫻井健康福祉部長
こちらは小平市災害援助要綱というのがございます。この中で全焼また全壊したときは5万円以内と、半焼、半壊または床上浸水したときは3万以内というふうに決まっております。半壊かもしくは全壊というような形になりますので、そのような住宅延焼火災、要はこの半壊以上半焼以上になる火災が発生した場合は、防災危機管理課のほうで、現地に赴いて状況を確認をするということになってございます。その情報が担当課である生活支援課にまいりますので、生活支援課のほうでも現地の確認をいたしまして、それで被災者の所在ですとか、受給の意思を確認をして、それで大体多くは窓口で見舞金をお渡しするというふうな形の対応を行っていたというところでございます。
水口かずえ
火災にあって途方に暮れるというか、茫然自失としているところに市からそういうふうな働きかけがあって、お見舞い金をもらえるっていうのはとてもありがたいというか、金額が少なくても、やはりとても嬉しいものだと思います。そういう事業を廃止してしまうというのはとても寂しいというか、冷たいなというふうに思います。これは社会福祉協議会のほうでも同趣旨の災害援助見舞金最高1万円がありますが、これは今年度も実施されているんでしょうか。
櫻井健康福祉部長
社会福祉協議会でも、同様の要綱があると伺っております。社会福祉協議会の災害援助要綱というのがあって、これに基づいて同様の形で、金額は違いますけれども、支払われていたという形でございますが、こちらお伺いしたところ、本年度から廃止をしていると伺っております。
水口かずえ
今年度から廃止されたって聞いてびっくりしたんですけれども、廃止してしまった理由を社会福祉協議会にお聞きしました。そうしましたら、「昨年度までは市がやっていたので、市から情報をもらって、市のお見舞金に上乗せする形でお渡ししていた。だから、市が辞めてしまうと情報も得られないし、独自にすることができずに、今年度からともに廃止した。」というふうに聞きました。
この廃止の理由の一つに、同種の事業があるみたいなことが書かれているんですけれども、その同種の事業も一緒に廃止されてしまったわけで、廃止の理由がないというか、廃止の理由の大きなものがなくなってしまったわけですけれども、その辺わかっていなかったのでしょうか。
櫻井健康福祉部長
社会福祉協議会につきましては、社会福祉協議会の事業ということでございます。我々も今回こういう形で制度の廃止ということになったことについては、社会福祉協議会と情報を交換をしながら、進めてきた仲がございまして、それを受けて、社会福祉協議会の判断で廃止をされたんではないかというふうに認識をしております。
水口かずえ
事業見直しシートっていうのを見ますと、対象者が少数に限定されているっていうのが一番廃止のための高い得点を得ていて、その次が重複類似する事業がある、あと、他市で類似の事業がない。これ、他市でもうやっていることは小平もやるけど、他市でやってないことは小平が独自にはやらないみたいな点数づけになっていて、この基準自体すごく変だなと思うんですけれども、この基準は誰が作ったんですか。この基準、ちょっと変じゃないでしょうか。
有川企画政策部長
この事業の精査と見直しの仕組みとして、一つの観点として、こういうことをこの観点で取り上げたわけでございます。そもそも事業の精査と見直しを行ってきている目的というのは、やはり厳しい財政状況の中で、適宜に必要なその施策に予算を配分していくという目的から、事業の精査見直しを行ってきているという経過がございます。
こちらは先ほど少し申し上げました通り、段階におきまして、この仕組みで進めてきているということでございまして、この7つの視点につきましても、庁内で議論した上で設定をさせていただいたものでございます。
水口かずえ
基準自体も変だなと思うんですけれども、災害救助事業が廃止された理由のうちの、少数に限定されている、あと重複類似する事業があるっていうところは、重複類似する事業が特になくなってしまっていて、その見舞いの意を示すための別の方法っていうのは何か実施されたのかお聞きすると、それまでもずっとある減免措置などしかないっていうことで、廃止の理由、前提がちょっと崩れているようにも思いますけれども、これを復活させるっていうことはできないんでしょうか。
有川企画政策部長
繰り返しになりますけれども、この事業と精査の見直しを通しまして一定の財源を確保していくということで進めてきているところでございますので、ここで廃止の判断をしたものにつきましてまた同じ事業を復活ということは考えていないところでございます。
水口かずえ
そうすると社会福祉協議会の方で一応その災害見舞金というのを最高1万円やってくださってたんですけれども、これはもうちょっとその市から補助金を出して額を増やして、情報については防災危機管理から社協のほうにお知らせするみたいな形でするっていうようなことはできないんでしょうか。
櫻井健康福祉部長
いずれにいたしましても社会福祉協議会の事業になりますので、市としては何とも申し上げられないところでございます。
水口かずえ
今回、精査と見直しについては、一昨日も山田議員が縮小となった小学校音楽鑑賞教室の復活を希望されていました。前回の定例会では、さとう悦子議員から子どもの権利条約普及推進事業の廃止はおかしいんじゃないかというお話がありました。その他にも、青少年音楽祭についても、廃止に対する抗議のご意見がありました。
今回廃止とされた7の事業のうち議会で取り上げた少なくとも3つは、廃止に対する反対の意見が述べられています。やっぱり何を廃止するか、ちゃんと市民の意見を聞いていないからこういうことになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
有川企画政策部長
答弁でも申し上げた通り、経営方針推進委員会の中での議論というのもございます。そしてこの経過につきましてはホームページ等でも公表しておりますので、そういった機会には市民の意見を把握しながら進めているというふうに捉えております。
水口かずえ
今回、事業の精査と見直しはこれで一応終わったということなんですけれど、また次回以降もし事業の精査と見直しをやる場合には、きちんと市民の意見を取り入れるような仕組みでやっていただけるんでしょうか。
有川企画政策部長
また同じような形で同じような取り組みをするかどうかは、今のところはまだ決まっていないところでございます。
水口かずえ
小平市は参加と協働を掲げていますので、いろんな機会になるべく市民の意見をちゃんと入れていただくようお願いいたします。
水口かずえ事務所
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