質問件名 小川駅西口再開発の現状とバリアフリー化などでまちの特徴を生かすことについて

 

○水口かずえ

 小川駅西口再開発の現状とバリアフリー化などでまちの特徴を生かすことについて。小川駅西口の再開発は現在、再開発組合が権利者と権利変換の手続きを進めています。小川駅西口は、野火止用水が近く、市内で最も歴史があるとも言われる中宿商店街があり、東京障害者職業能力開発校や都立小平特別支援学校、たいよう福祉センター、地域包括支援センター小川ホームなど、高齢者や障がいのある方が利用する施設が多く立地しているという特徴があります。再開発は、そのような小川駅西口の特徴を生かすまちづくりにつなげることができるのか、以下、質問します。

  1.  権利変換計画への権利者の同意取得の進捗状況をお聞きします。今年4月以降に権利変換計画の縦覧と意見書の受付、7月以降に権利変換計画の認可の予定となっていますが、予定通りに同意取得が進まない場合はどうなるのでしょうか。
  2.  2014年に策定した小川駅前周辺地区まちづくりビジョンでは、地区の将来像として「小川の魅力と活気が感じられる賑わうまち」を掲げました。「小川の魅力」は何であるか、市長の考えをお聞かせください。
  3.  上記ビジョンでは、まちづくりの方針として、駅前の賑わいを地区全体に広げるため、賑わいを周りの商店街につなげる「人の流れを生み出すみち」の整備に取り組むとしています。そして、その取り組み方針として「駅前から、小平グリーンロード(野火止用水)などの水辺へ、地区内を通り、まち歩きやまち巡りができる動線の確保をするとともに、案内表示板などの設置を検討」するとしています。「人の流れを生み出すみち」や案内表示板の設置は、どのように計画されていますか。
  4.  高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(通称:バリアフリー法)で、市町村は、旅客施設を中心とする地区や、高齢者、障がい者等が利用する施設が集まった地区について、「移動等円滑化の促進に関する方針」や、「移動等円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本的な構想(以下、基本構想という)」を作成し、移動等円滑化促進地区や重点整備地区を定め、個々の施設にとどまらず、道路等も含めた面的・一体的なバリアフリー化を図るよう努めることが求められています。小川駅西口を対象として、上記方針や基本構想を策定する意義や可能性について、市の見解をうかがいます。
  5.  小金井市は、JR中央本線の立体交差事業と武蔵小金井駅南口の再開発の事業中に、それを高齢者や障がいのある人等の移動等の環境をバリアフリー化する好機ととらえ、交通事業者や商業関係者、障がい者団体代表らを委員とする協議会をつくり、平成20年に「小金井市バリアフリーのまちづくり基本構想」を策定しました。小川駅西口地区の再開発は、同地区の面的なバリアフリー化を関係者で一体となって進める好機ではないでしょうか。
  6.  高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律では、市町村は、移動等円滑化促進方針を作成しようとするときは、住民、生活関連施設を利用する高齢者、障害者等その他利害関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとされ、そのための協議会を設置した場合には、検討の初期段階から継続的に議論することが重要であると国土交通省発行のガイドラインに記されています。小川駅西口の再開発では、障がいのある方等の意見はどのように聴取し、反映しますか。
  7.  練馬区では、車いすの方や、視覚や聴覚に障がいのある方、高齢者、子育て中の方など、現在138名の区民が福祉のまちづくりサポーターとして登録し、近隣の公共施設の改修等の現地調査や検証に参加し、意見を述べる制度があります。大田区でも、障がいのある方やその保護者、高齢者など50名程の区民が4つの地域に分かれ、居住区の道路や施設の点検を行う「おおたユニバーサルデザインのまちづくりパートナー(UDパートナー)」制度が平成23年から実施されています。小平でも、障がいのある方や高齢者、子育て中の方などの意見をまちづくりに取り入れる仕組みを導入できないでしょうか。
  8.  移動等円滑化促進方針や基本構想にバリアフリーマップの作成等について明記すると、対象地区内の旅客施設や建築物の管理者は、バリアフリーの状況について市に報告する義務や努力義務が生じます。基本構想を作成している千代田区や町田市では、地域内の施設等のどこに、みんなのトイレやおむつ替えシート、授乳室、車いす対応駐車場、広めのスペースを確保した思いやり駐車区画、エレベーター、スロープ、座れる休憩場所、段差、などがあるかを示すバリアフリーマップを発行しています。小平市でも、小川駅西口地区から、バリアフリーマップを作成できないでしょうか。
  9.  国土交通省発行の資料によると、移動等円滑化促進地区や基本構想の重点整備地区で、鉄道との結節点における自由通路等の歩行空間のユニバーサルデザイン化を図る場合などの道路事業や市街地整備事業等を行う場合、社会資本整備総合交付金や防災・安全交付金などの重点配分の対象になるとされていますが、これを小川駅西口のペデストリアンデッキ等に活用できる可能性はないでしょうか。
  10.  一昨年5月のバリアフリー法改正で、移動等円滑化促進方針には、住民ひとりひとりが高齢者や障がい者等の特性を理解し、接することができるようになる心のバリアフリーに関する取り組みも記載することになりました。当事者の話を聞いたり車いす体験をしたりするバリアフリー教育などを通じて、誰もが高齢者や障がい者等に対して自然に快くサポートできる心のバリアフリー実現に向けての小平市の取り組みみをお教えください。

○小平市長

答弁担当

○都市開発部地域整備支援課地域振興部産業振興課

○地域振興部文化スポーツ課

○健康福祉部生活支援課

○健康福祉部障がい者支援課

○都市開発部道路課

○都市開発部交通対策課

○教育部公民館

○教育部図書館

 

 次に、「小川駅西口再開発の現状とバリアフリー化などでまちの特徴を生かすことについて」のご質問にお答えいたします。

 第1点目の権利変換計画の同意取得の進捗状況でございますが、小川駅西口地区市街地再開発組合では、組合の設立からまもなく2年が経過し、権利者の意向調査も進められていることから、本年7月の権利変換計画の認可取得に向けて順調に進捗しております。

 同意取得が予定通りに進まない場合は、権利変換計画認可以降のスケジュールに遅れが生じることが想定されますが、再開発組合からは、現時点で、大きな遅れは生じていないとうかがっております。

 第2点目の小川の魅力でございますが、小川駅周辺は、交通利便性が高いながらも、緑や水辺の環境が生活の身近にある地域であるとともに、企業や学校、福祉施設など様々な施設が立地しており、幅広い年代や様々な職業等、多様な属性の方々が活動し、行き交う場所であり、その活動等の重なり合いによって、活気やにぎわいが創出される可能性を秘めた地域であると捉えております。

 第3点目の人の流れを生み出すみちや案内表示板の設置でございますが、平成26年2月に策定された小川駅前周辺地区まちづくりビジョンでは、人通りの多い道路を中心に、歩行空間の確保やベンチ、花壇などを設置するとともに、駅前に案内表示板を設置し、まちめぐりを促すことを取り組み方針としております。

 この方針を踏まえ、再開発事業におきましても、事業区域の北西側に仮称小川にぎわい広場を配置し、駅前から広場へ抜ける貫通通路を設置する計画とすることで、駅前広場から中宿通りや野火止用水方面への人の動線を確保しております。

 現時点におきましては、案内表示板の設置等についての具体的な計画までには至っておりませんが、今後の再開発事業の進捗を契機に、地域で高まるまちづくりの気運と連携しながら、再開発事業の完成に合わせて実現できるよう、検討してまいります。

 第4点目の小川駅西口を対象とした移動等円滑化にかかる方針や基本構想の策定でございますが、小平市都市計画マスタープラン、及び小平市福祉のまちづくり推進計画に基づき、各施設や道路交通のバリアフリー化に取り組んでおりますことから、方針等を策定する予定はございません。

 第5点目の再開発での面的なバリアフリー化でこざいますが、市街地再開発事業につきましては、土地の合理的かつ健全な高度利用と、都市機能の更新を図ることにより、防災性の向上など、地域の諸課題を面的に解決するまちづくりの手法であり、バリアフリー化も重要な要素のひとつであると認識しております。

 再開発事業によるバリアフリー化につきましては、小川駅周辺には病院や福祉施設が立地する地域特性があることから、推進に向けて、引き続き、高齢者や障がいがある方等のご意見、ご要望を踏まえながら、再開発組合と連携して取り組んでまいります。

 第6点目の障がいのある方等の意見の聴取と反映でございますが、本事業におきましては、これまでも、事業計画の立案段階からバリアフリー化を重視し、周辺説明会などにおいて、ご意見等をうかがってまいりました。

 昨年度においては、小平市視覚障がい者協会に対しまして、事業計画の説明を行い、いただいたご意見等を参考にして、再開発ビルなどの設計に反映されたものがございます。

 バリアフリー化に当たりましては、再開発ビルや駅前広場などをご利用になる方の視点が重要であると認識しておりますことから、引き続き、各障がい者団体等を通じて情報発信と意見聴取を行い、利用者の視点に立ったバリアフリー化の実現に努めてまいります。

 第7点目の障がいのある方等の意見を取り入れる仕組みでございますが、市では、小平市福祉のまちづくり条例に基づき、誰もが安全・安心して、快適に暮らすことができるまちづくりに取り組んでおります。

 道路や交通安全施設につきましては、昨年11月に行われた小平市視覚障がい者協会との意見交換会での要望を踏まえ、今後、要請があった場合には、視覚障がい者等と市職員が合同で現場確認を行い、必要に応じて交通環境のバリアフリー化を図ってまいります。

 第8点目の小川駅西口地区のバリアフリーマップでございますが、小川駅西口地区では、現在、再開発事業において、事業区域内のバリアフリー化やサイン計画の検討を進めております。

 バリアフリーマップにつきましては、多くの方が訪れる施設として重要な要素になる可能性があることから、今後、事業の進捗に応じて、バリアフリーに関する情報提供のあり方とともに、再開発組合と連携しながら研究してまいります。

 第9点目の社会資本整備総合交付金等の活用でございますが、これまで、ペデストリアンデッキや駅前広場などの整備において、社会資本整備総合交付金など、国庫補助の情報収集や活用の検討を進めてまいりました。今後も引き続き、バリアフリー化の実現のため、積極的に交付金等の活用に努めてまいります。

 第10点目の心のバリアフリー実現に向けた取り組みでございますが、福祉のまちづくり講演会の開催や、障害者週間等に合わせた展示による広報・啓発活動のほか、公民館での地域支援講座の実施、

図書館におけるハンディキャップサービス利用者等の交流会などを実施しております。引き続き高齢者や障がい者等に対する理解を深める意識啓発に取り組んでまいります。