(1) 小平の緑地の保全に小平市緑化基金をもっと活用できないか

 

質問要旨  

 小平市が平成28年に行った第19回小平市政に関する世論調査では、回答した小平市住民の84.2%が「ずっと住み続けたい」もしくは「当分住み続けたい」と回答し、その理由として最大の60.1%の人が「自然環境がよい」ことを上げました。平成30年に行われた「小平市長期総合計画策定のための市民アンケート調査」でも、68.5%の市民が小平市に「愛着を感じている」もしくは「やや愛着を感じている」と回答し、その理由(複数回答)として最大の61.3%の人が「緑や自然環境」、次に多い29.1%の人が「農のある環境(風景、直売所等)」と回答しました。このことからも、小平市民の多数が、緑が多く残っていることを小平の特徴ととらえ、それを残していきたいと願っていることがわかります。

 

 しかし、平成27(2015)年3月発行の「小平市みどりの基本計画2010中間報告書」によると、平成24年時点の小平市の緑被率は31.8%で、平成18年時点の緑被率34.3%より2.5ポイント減り、毎年中央公園1個分以上の緑被地が減少している、としています。このままでは、小平の緑は減少を続け、小平の魅力や特徴が失われてしまいます。昭和61年に制定された小平市緑化基金条例で、「緑化の推進を図る事業の財源とするため、小平市緑化基金」が設置されました。小平の緑の減少を抑えるため、この基金をもっと活用できないか、以下質問します。

 

1.小平市緑化基金が設置された経緯と背景、目的をお教えください。

 

市長(小林正則)

 初めに、小平の緑地の保全に小平市緑化基金をもっと活用できないかの第1点目の緑化基金の設置の経緯、背景、目的でございますが、昭和60年に策定いたしました小平市新長期総合計画における緑化運動の推進の取り組みとして、昭和62年に緑化の推進をはかるための資金にあてる目的で設置いたしました。

 

2.小平市緑化基金の残高が最も多かったのは何年度でしょうか。それ以降、現在までの基金残高の推移をお教えください。

 

市長(小林正則)

 第2点目の資金残高の最も多い年度でございますが、平成12年度の1億2,863万5,000円でございます。それでは、これ以降の残高を申し上げます。平成13年度は1億2,697万6,000円、14年度は1億2,484万7,000円、15年度は1億2,242万9.000円、16年度は1億2,035万7,000円、17年度は1億1,811万6,000円、18年度は1億1,794万2,000円、19年度は1億1,636万2,000円、20年度は1億1,475万1,000円、21年度は1億671万9,000円、22年度は9,990万3千円。23年度は9,074万6,000円、24年度は8,214万6,000円、25年度は1億2,437万4,000円、26年度は1億1,763万2,000円、27年度は1億1,242万4,000円、28年度は1億679万1,000円、29年度は1億77万円、そして、昨年度は9,459万8,000円でございます。

 

3.平成30年度決算特別委員会参考資料集に、小平市の緑化基金の目標額が1億円と記載されていますが、この目標額はいつどのような経緯で設定されたのでしょうか。この目標額は今でも有効なのでしょうか。

 

市長(小林正則)

 第3点目の、基金の目標額の経緯と今まで有効かでございますが、積み立て基金と指定寄附金を原資にした運用により生ずる利息等一定の歳入を事業にあてることを想定し、当時の財政状況を勘案して目標額を一億円と定めており、現在も同じ目標額としております。

 

水口かずえ

 まず、小平市緑化基金ですけれども、もともと目的は緑化推進のための資金を積み立てていくということだったとうかがいました。それにしては、目標額が一億円では不十分ではないのでしょうか。

 

津嶋企画政策部長

 緑化の推進はですね、基金だけで行っているわけではございませんので、基金として積んでいる部分につきましては、着実に、その一部として活用を図っているところでございます。

 

水口かずえ

 基金により多く積んであれば、より多く緑地の保全策がとられると思います。これまで一般会計から緑化基金の方に積み立てたことはないのでしょうか。また、ほかの小平市ごみ減量・リサイクル推進基金などの場合はどうなのでしょうか。

 

津嶋企画政策部長

 一般会計からというか、一般会計の中で積み立てを行っております。一般財源ということであれば、当然一般財源として、寄付以外の一般財源で積み立てている経緯もございます。また、小平市ごみ減量・リサイクル推進基金につきましては、資源回収した有価物、これについて基金に積み立てるというところがございます。これはほかの基金とはちょっと違う組み立て方がございます。

 

水口かずえ

 この緑化基金への積み立てとして、ふるさと納税以外にも指定寄付金が毎年十万~数十万ぐらいあるみたいですけれども、これは市外からなのか、市民からなのか、どっちが多いのでしょうか。また、寄附をした方はどうやって情報を得て寄附

をしたのか、わかれば教えてください。

 

津嶋企画政策部長

 寄附につきましては、毎年変わってきます。一定ということではございませんので、市外からが多いときもあれば、市内からが多いときもあるというところでございます。何を使ってこの寄附を知ったか、基金を知ったかということはちょっとわれわれとしてはわからないところでございますが、いわゆるふるさと納税のインターネット上で公表している部分から入ってきているものは、そこを通じてお知りになったというところかというところでございます。

 

4.上記資料集には、小平以外の多摩六都の緑化基金について記載されていますが、基金残高を比較すると、東久留米市の9億5,122万5,000円、西東京市の6億960万3,000円などと比べ、小平市は9,459万8,000円と記載市中で最も低い額です。東久留米市などは、この基金を使って柳窪の樹林地など緑地の買い取りを行っていますが、小平の基金残高は緑地の買い取りを行うには少なすぎます。今までに、小平市緑化基金を使って緑地の買い取りが行われたことはありますか。今後、小平市緑化基金残高をもっと増やし、緑地の買い取りを行う意向はないのでしょうか。

 

市長(小林正則)

 第4点目の、緑化基金による緑地買い取りの有無と今後の意向でございますが、これまでに緑化基金による買収はございません。また、市の財政全体に関わる財政調整基金残高の目標額も達していない厳しい財政状況をふまえ、当面、緑化基金の目標額の増額は考えておりません。

 

5.平成30年度小平市一般会計決算附属書類によると、小平市緑化基金は平成27年度以降、毎年650万円ずつ取り崩されています。毎年650万円ずつ取り崩すと決めたのでしょうか。また、その使途、および今後の基金の活用予定をお教えください。

 

市長(小林正則)

 第5点目の、基金の取り崩し額と使途でございますが、取り崩し額については、毎年度の予算編成の中で定めているものであり、生け垣の造成補助であるとか、高木剪定など緑に関する維持管理も含めた緑の保護と、緑化の推進事業の財源として活用しております。今後の活用でございますが、厳しい財政状況をふまえ、国庫補助金を活用して、公有地化する特別緑地保全地区の買い取りに必要な一般財源部分を補填する財源として活用してまいります。

 

6.小平市緑化基金条例第2条では、緑化基金の財源として、一般会計歳入歳出予算で定める額、指定寄附金、基金の運用から生ずる収益、を上げています。過去3年間の緑化基金への積立額の内訳を、指定寄附金のうち、ふるさと納税によるものがいくらだったのかと併せて、お教えください。

 

市長(小林正則)

 第6点目の、過去三年間の積立額の内訳でございますが、平成28年度は、利子が38万8,000円、指定寄附金が47万9.000円、そのうち、ふるさと納税が11万円。平成29年度は、利子が9万1,000円、指定寄附金が38万8,000円、そのうちふるさと納税が25万円。昨年度は、利子が5万円、指定寄附金が27万8.000円、そのうちふるさと納税が17万5,000円でございます。

 

7.小平市へのふるさと納税は、緑化基金、文化振興基金、ごみ減量・リサイクル推進基金など、小平市の7つの一般会計積立基金のどれか、あるいは使途を指定しない一般寄附のいずれかを選んで行うようになっています。ふるさと納税を含め、緑化基金への寄付を増やすため、もっとPRする工夫はできないでしょうか。小平市民も、緑化基金へのふるさと納税ができることを市民に伝えたらいかがでしょうか。

 

市長(小林正則)

 第7点目の、PRする工夫でございますが、市ホームページや、ふるさと納税にかかるウェブサイト「ふるさとチョイス」での掲載を行っております。市民のみなさまが、市へふるさと納税できることを含め、引き続きよりよいPRについて検討してまいります。

 

8.小平市の一般会計積立金のうち、平成30年度の残高が最も多いのは都市計画事業基金の39億2,096万1,000円で、緑化基金の約41倍です。平成30年度の都市計画事業基金への積立額は7億7,189万2,000円と、緑化基金への積立額32万8,000円の約2,353倍です。平成30年度小平市一般会計決算附属書類に、都市計画事業基金への積立金の内訳として、税等が7億7,152万円、その他特定財源が37万円と記載されています。この内訳について、ふるさと納税によるものがいくらかなど、もう少し詳しくお教えください。積立金の差は、緑化よりも都市計画事業を重視していることの表れでしょうか。

 

市長(小林正則)

 第8点目の、都市計画事業基金、都市計画事業基金積立金の内訳でございますが、その他特定財源37万円のうち、利子が13万円、指定給付金が24万円で、指定給付金はすべてふるさと納税でございます。また、税等につきましては、平成29年度の都市計画税充当余剰額でございます。積立金の差でございますが、都市計画事業基金につきましては、前年度の都市計画税のうち、都市計画事業などに充当できなかった余剰額を翌年度に積み立てているものでございます。

 

水口かずえ

 緑化基金とくらべて都市計画事業基金への積み立て額が毎年すごく多いんですけれども、それは都市計画税の余剰金を積み立てているというご答弁だったと思います。緑化というのも、都市計画の一部だと思うんですけれども、都市計画の余剰金を緑化基金のほうに積み立てるということはできないのでしょうか。

 

津嶋企画政策部長

 都市計画税は、ご承知のとおり目的税でございます。ですから、それ以外、目的に反する使途には使えないことになっております。緑化基金に入れますと、どの部分が目的税である都市計画税由来のお金なのかどうかがわからなくなりますので、これは混ぜるというわけにはいかないというふうに考えております。

 

水口かずえ

 令和2年度予算案で、上水新町地域センター裏の雑木林862.56平方メートルの購入が盛り込まれています。その一部に緑化基金が使われているということだと思います。説明会の時に担当の方にうかがったら、雑木林の裏に本当はもっと広い雑木林があるんだけれども、資金が足りないので、一部しか買い取れないということでした。もっと資金があれば、より広い雑木林を買えるということがあると思います。

 また、一昨年から、生産緑地の貸付が可能となり、昨年は小平で農家出身ではない若い方が、新しく農家の方の農地を借りて、新規就農したということがあります。相続でどんどん減ってしまう農地の一部でも市が購入し、農業をしたいという人に貸し付けることができたらいいのではないかと思います。

 このような形で緑化基金をもっと増やして活用していくことができればいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

津嶋企画政策部長

 農地が減っていくということは、小平市の魅力の減少にもつながるということで、極力農地の確保をはかってまいりたいというふうに考えております。

 ご承知のとおり、今回、鎌倉公園の整備を進めるということで、市としては今、取り組みを進めております。こちらは生産緑地の地区が入ったところでございます。こういったところは、都市計画公園の区域でもございますので、しっかり都市計画税を確保しながら、用地の取得を図りながら、ここは農業公園という正式には決まっておりませんが、現在ある農作物等、農地として活用されていますので、できるだけそういったものを生かしながら、市民の方にも楽しんでもらえる公園にしていきたいと考えております。

 

水口かずえ

緑化基金については、目標額1億円と限定するのではなく、もっと大きい額でどんどん積み立てていって、緑化に使っていただければと要望します。

 

9.平成30年度決算特別委員会参考資料集に、平成30年度は農地の買い取り申出1.87haのうち700㎡を買い取ったとの記載があり、それは小平都市計画道路3・3・3号線の事業用地として買い取ったとのことでした。回田町で8,000㎡近い農地を業者が緑地を設けることなく宅地開発したとき、周辺住民は市が宅地の数区画分を買い取って緑地か公園とすることはできないか要望しましたが、受け入れられませんでした。また、市民菜園は人気があり、例年1.2倍弱の応募倍率と聞きました。緑化基金を宅地開発における緑地の確保や、市民農園への活用などに活かすことはできないでしょうか。小平市の緑被率の減少を少しでも食い止めるために考えられる施策をお尋ねします。

 

市長(小林正則)

 第9点目の、緑化基金による宅地開発時の緑地確保や市民農園への活用でございますが、民間事業者による宅地開発において、市が緑地を確保する考えはございません。また、市民菜園の維持管理等につきましては、市の施策上必要となる場合には、緑化基金に限らず財源の確保をはかってまいります。

 また、緑被率の減少を止める施策でございますが、現在、保存樹林や保存樹木、保存生け垣等で緑の維持をはかっており、本年度保存樹林を特別緑地保存地区を新たに一ヶ所指定し、長期的な緑の保全をはかってまいります。